
会社の目の前にあるビルが取り壊されている。
もう、シャッターを閉めて長年経っていたであろうこのビルの1階部分には、
軒下を陣取るようにホームレスの方のダンボールハウスが、やはり長年占拠していた。
秋口、そのダンボールハウスの主を取り巻くように軽自ワゴンから降りてきた作業員風の男数人と
ベンツから降りてきたスーツ姿の男がなにやら押し問答を繰り広げていた。
それから数日、ダンボールハウスは小さく畳まれ、その主の姿はそれ以降見かけなくなった。
私にとって無関係な出来事だが、目と鼻の先で繰り広げられた人々の人生の一端が
ちいさく影響しているように思える。
感傷とはまたちがった感覚で・・・